2021.06.24 笑顔とドライフラワー
株式会社家’s 代表取締役 伊藤昌徳さん
伊藤さんというと、株式会社家’s [イエス]で、宿泊事業や古家具の再生事業など様々なサービスを手掛けている印象があります。
今まではどういったことを手掛けていらしたのでしょうか?
前職では、東京でベンチャー企業への幹部人材の提案をベースとしたコンサルティングを行っていました。
その後、東京で個人で人事コンサルティングを営みつつ、富山県への移住後、今の地方創生を中心にした事業に取り組むようになったんです。
今の事業は、元々は前職の知り合いのご縁で、富山県のとある方から古民家を紹介してもらったことが始まりでした。前から漠然と”地域活性”に興味があったのですが、そんな風に、いろいろな方とのきっかけやアイデアが繋がって具体化していった部分も大きいです。
”地方創生”は元々ご興味があったとのことですが、そこから実際にサービスを作る方ってなかなかいないイメージです。伊藤さんは”起業”や”サービス構築”ということにも興味を持っていらしたのでしょうか?
そうですね、起業という点では、学生の時からしたいな、という思いがありました。特に、大学の時に読んだ[金持ち父さん貧乏父さん]、[ユダヤ人大富豪の教え]という本には影響を受けました。
なるほど!どちらも社会の仕組みというか、お金の法則というのでしょうか…。面白い角度でお金そのものやその流れに触れていますね。伊藤さんは、大学では経営を学ばれていたのでしょうか?
はい、大学では、国際経営ゼミに所属していました。
そこの先生が面白い方で、”外貨を稼ぐこと”と、”人と違うことをしろ”という教えがありまして、僕はその影響もあり、今の少し一般的なサラリーマンとは違う仕事をしているように思います。
確かに、伊藤さんは、アートとタンスや木彫りの熊など、古いものとの融合や提案の他、そのビジネスモデルから作りこまれているイメージがあります。
なんというか、見た目のかっこよさだけではなく、価値が埋まっているものをプロデュースし、きちんとビジネスとして作り込まれた関係を構築している印象です。
まず、アートや古いものが単純に好きっていうのはあります。正直、なぜ好きかを言語化するのは難しいのですが、型とかスタイルっていうのでしょうか?そういうものを見るとそれぞれの味があって好きだなと感じますね。
美術も〇〇派…とかアンティークも××風…とかありますもんね。
そうですね。僕は実は大学時代はプロスノーボーダーを目指していまして、もしかするとそういう感覚に近いのかもしれません。その選手なりのスタイルや技を見ると、かっこいいなって。
なるほどー。お話を聞いていて納得しました。
そういう意味では、スノーボードも、アートも、古いものも同じですよね。そこをいかに地域活性やビジネスの土俵に載せるか…というか。
そうですね。実際にサービスに至るまでは、ある意味人との出会いがフックになっている部分もありまして。
もちろん、その間に成功ばかりではなくて、失敗もあるのですが、打席に立ち続けることで
よりいいものを出していきたいと思います。
人との出会い…そこにも前職のご経験が繋がっていそうですね。いろいろな価値を持つ人材のマッチング…のような。いろんなアイデアも生まれやすそうです。
伊藤さんは、今のお仕事や活動で特に気をつけていらっしゃることはありますか?
昨今はSDGsなんて言葉があるように、今まで環境を顧みずに人類が発展していった末の歪みってあると思うんです。そこに対してストーリーを考えたり、アイデアを出していくのですが、特に、実際に人の手に渡る時に素敵だなって思ってもらえるように努力しています。
アウトプットが素敵じゃないと、そこにあるストーリーや価値も見てもらえないので。とはいえ、すべて納得の行くアウトプットになっているかは…日々悶々としながら事業を進めています。
Re-Bear Projectも元は違う構想だったのですが、自分以外のいろんな方の意見をいただいて、今の形になりました。行き当たりばったりと言えばそうなのかもしれないですが、そうすることで、自分の角度以外の考え方が取り入れられるので、ありがたいです。
確かに、いくら世に対して良いものであっても、それをお客さんとして欲しいか…って絶対違いますもんね。
謳花でも、伊藤さんのタンスを活用させていただいた作品がありますが、例えば、今後、伊藤さんの手掛けるビジネスと花(特にドライフラワー)で何かこれからやりたいことや、こういうことできたら面白いなあ…なんてことはありますか?
まず、ドライフラワー自体、時代にあっているなと思います。
存在自体が生花とドライフラワーで二度楽しめるという点でもですし、空間作りという点では、花ってやっぱりキャッチーだなと感じますね。古いものとも合う佇まいですし、花言葉なんかでも広がらせることができるし。
ありがとうございます!個人的にはドライフラワーが古いものとマッチするのは、どちらも時を経たもの、綻びが美しいからなのかなと思います。
以前、伊藤さんに見せて戴いた、タンスが傷んだり壊れた端材にドライフラワーを添えるだけでも、とても素敵だった覚えがあります。
そうなんですよ。
結局、古いものなので、金具とか外れた木片とか…どうしても出てしまうんですよね。
今までは、タンスの引き出しに花を添えたフラワーインテリアをつくっていましたが、端材を活用したテーブルや什器なんかもつくってみたら面白いかもしれないですね。よりリアルに廃材寄りのものというか…。
良いですね!
ちょっと違うかもですが、僕も建築資材などタンスなどの家具より大きな物量のもので何かやりたいなって思っています。どうしてもゴミの量を減らすという大元の目標を達成するには、より個人ではなく全体感を持って何かできないかなと。
素敵ですね。どうしてもアウトプットやマーケティングから考えるとコンセプトからズレてしまいがちですが、ブレずに続けてらっしゃるというか。
謳花もタンスの端材で作ったプロダクトができたら是非また報告させてください。
是非!楽しみにしています。
最後に、これから伊藤さんの様に再生事業やアーティストとの活動をやってみたい、という人へ一言お願いします。たくさん居そうです。
打席に立て、バットを振れ、が基本ですね!
シンプルですが、説得力がありますね!
この考え方は、前職で鍛えられたのもありますが、やはり事業って3年も保たずに失敗してしまうことが多いんですよね。その前提でも、戦略をしっかり持って立ち続けられるかにあると思います。
どんな風にモチベーションというか、その気概を保っているのでしょうか?
どんな状況でも、立ち続ける環境にする事ですかね。楽しい事なんて1割あるかないかですが、失敗して立てなくなるのが一番良くなくて、立ち行かなくなる状況を如何に避けるかが重要ですね。
経営者の方が成功しているように見えるのって、実は全然成功してなくて、その分失敗もたくさんしてるんですよ。でも、とにかく打席に立ってるから成功しているようにも見えてくるという。
確かに、野生動物とか、獲物を獲れなかったら死ぬしかないですもんね。凹んでいる暇がない。
ですね!プレッシャーでヒリヒリしますが、甘えなくなるのでそういうマインドは大事だと思います。
もちろん、起業する人がいいわけでもないですし、皆さん色んな状況があると思います。
強いていうなら、後悔しない行動をしていけば良いんだと思います。
腹を決める、その状況にする。きっと起業以外の事にも言える事ですね。
伊藤さん、ありがとうございました!
お名前 | 伊藤昌徳[いとうまさのり] |
所属 | 株式会社家’s 代表取締役 |
出身 | 北海道 |
休日の過ごし方 | サウナ |
好きな花 | ひまわり |
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